昭和４２年０６月０５日  朝の御理解



　「人間は万物の霊長である、万物を見て道理に合う信心をせよ」と。「人間は万物の霊長である、万物を見て道理に合う信心をせよ」また「狐狸ですら神にまつられると言う事を喜ぶと言うではないか」と「死したる後神に奉られると言う事を楽しみに信心せよ」「人間は万物の霊長である、万物を見て道理に合った信心をせよ」「狐狸ですら、神に奉られると言う事を喜ぶと言うではないか、死したる後神にまつられると言う事を楽しみに信心せよ。」
　教祖の神様の教えて下さる事の中に、そうした一つの信心の焦点と言うか、目指しと言うものをそういうふうに教えておられますね。人間はまず万物の霊長であるという自覚を持たなければいけません。人間の面被っとるから万物の霊長と人の値打ちがあるのじゃない。万物の霊長としての値打ちを、私はあれはもう本当に犬畜生のようなやつじゃとか、ね、あれはまあ人間の面ば被っとるだけだと言う事では値打ちはない。
　何故かと言うと、道理に合う信心せんからなんです。そこでまず私共がその、天地の道理と言う事をまず知らなければいけん。天地の道理を知らない所に間違った生き方になってしまう。「道理に合う信心をせよ」又は「死したる後、神にまつられると言う事を楽しみに信心せよ」「狐狸ですら、神に奉られると言う事を喜ぶと言うではないか」まして人間、万物の霊長であるから。
　死したる後に神に奉られると言う事を楽しみに信心せよ、と仰るのに果たしてお互いの信心はどう言う事になっておるだろうか。道理を体得し道理に基いた生活が出来ておるだろうか。そこに信心の焦点を置いてあるだろうか。ね。おかげを楽しみに信心はしよるけれども、神に奉られるということ楽しみには信心はしておらん、と言う様な事ではなかろうか。どうでしょうかおかげを楽しみに。
　いうなら御利益を楽しみに、信心しよるのと違おうか。そしたらもう全然その教祖の仰る所の信心の、焦点が狂っておるわけです。ね。もうおかげ頂きたいばっかりで、参りよるとですよと。て言うことではもう、すでに焦点が違うわけなんですね。それは始めの内はですよ、ね、その難儀な事からその難儀の中からおかげを受けたいと言う事が、やはり願いで参って来るので御座いますけれども、話を聞いて助かると仰る。
　その話を聞いて行きよる内に自分の心が助かって行く、話を聞いていきよる内に天地の道理が分かって行く、話を聞いていきよる打ちに、天地の御恩徳が分かって行く。天地の御恩徳に対しまつって、神恩報謝の生活さしてもらい、天地の道理に基いて間違いのない生活さしてもらい、ね、自分の心が一段一段と神に向かって進んで行く。いうなら自分の心が一年一年信心をしておれば一年一年有り難うなっていくと仰るが。
　一年一年有り難うなっていくと言う事を、楽しみに信心をしておると。と言う事になって来なければならんのですね。ですから結局思いわして頂く事は、ね、「今月今日で頼めい。おかげは和賀心にあり」と仰るその結局「和賀心の追求」である。「和賀心の追求」と。和賀心とは和らぎ賀ぶ心の追求であると。その和らぎ賀ぶ心の追求と言う事がです、いかにもこう難しい事のように思い、難しい言葉のようにある。ね。
　「和賀心を追求する」なんて事はもう、どう言う事だろうかとこう思う。ね。追求すると言う事はもう限りなく喜びを求めて、いかにあればいかに為して行けば、その喜びが頂けるかと。また頂いたその喜びをいかにしたら、愈々その喜びが本当の喜びに育って行くか、ということなんだ。結局和賀心を追求さして貰うと。「慢心を起こすと、もう和賀心は、例えあっても一遍に消えてしまう。」
　どんなに喜びの芽が出ても、我儘な横着な生活をさして貰ったり、在り方であったりしたらもう喜びはどこえやらであります。いかに実意にならなければいけないか、いかに実意丁寧神信心をしていかなければならないか。ね。折角頂いた喜びもそういう慢心とか、実意を欠いだ生活から、その喜びはもう束の間に消えて行く。ね。その喜びと言うものをいよいよ自分の心の中に、頂こうとする為には。
　まず何と言うても「日々の改まりが第一」と仰る。改まると言う事に本気に努めさして貰わなければならん。信心はこれだけが分かったからもうそれでよい、と言った様な事じゃない。もう日々しかも新らに新らな心で、その和賀心に取り組んで行くと言うか、心を追求して行く。そこん所に私は、しみができる信心。最近もうほんとにお取次ぎさして頂く私が、不思議に思うくらいに皆さんがおかげを受けて行かれる。
　特に医者が見放したと言った様な病人が助かって行く。是はやっぱり嬉しいやっぱり「ほんとに神様っちゃ有り難いもんだ」というふうに。けれどもですそういう嬉しゅう嬉しいようであるけれども、そのおかげを受けた。いわゆる御利益を受けて受けたと言う喜びはですね和賀心じゃないです。和らぎ賀ぶ心じゃない。それは嬉しいのじゃ。ですからやっぱり御利益では和賀心頂けない事になる。
　昨日も一昨日も、一昨日は熊本の隈之庄の吉田先生が見えられた。昨日は山田先生が見えられた。二人の話を聞いておってですね、ほんとにあの椛目の親先生とか大坪先生とかとこう、言うて唱えさしてもらいよる。御神前の向かう所に必ず大坪先生の働きを確かにそこに頂き、そこにおかげを現して行く事ができる。それはもう話を聞いとっても、ほんなこっちゃあるですか、ちゅうごたる不思議なおかげを頂きよる。ね。
　けれどもです椛目の話、いや合楽のお話を頂いてほんとに自分の心が和賀心になって行く事が楽しみで、和賀心になって行きよったら、和賀心にならして頂いたらこう言う様なおかげ伴うて来たと言う話を、そういうお礼のお届けを一つも聞かないのです。と言うほどに現在の椛目現在の合楽ではですね、和賀心にならなくてもおかげの受けられておる、ということです。そこにそのいわゆる御利益に幻惑される。
　そして例えば昨日の山田先生の話を聞きよってもです「御用すりゃ助かる」ちゅったような感じなんです。山田先生の所に一反足らずの、畑がすぐお広前の横にあるそうです。そこのその毎日草を取ったり、まあお野菜が出来とんならその手入れをしたりして行きゃおかげ頂くと言った様なおかげなんです。もう不思議なこっちゃあります。確かにおかげならですね、おかげなら御利益ならそういう事ででも頂けれるですね。
　けれども私それ聞いておって、ほんとに有り難い事じゃあるな、有り難い事でありますと言いなさるけれども、いっちょんそれを有り難いとは思わんのですね私は。そげんじゃなかっち信心ちゃそげんじゃなかよ、私が日々言いよるとはそんな事じゃなかよ、と言いたいですけれども、もうその事で他の事言われたら分からんぐらいに、（こないだの吉田先生）の場合だって、あの山田先生の場合だって。
　そのもう肝心要の所言おうとしたって、受け入れる様なものはない。もうおかげ頂いて行きよるから。ある先生私の借金がその、バーにその飲みに行ってあったと。それを何々と言う総代が払うちくれた。そしたらもうそん位なこっちゃもう２倍３倍の所じゃないから、ガバーッと一遍にそのお繰り合わせ頂いて、おかげ頂いたっちゅう。先生の飲み代を払うてやったら、からそれこそ信者はおかげを受けた。
　成程ですね、そら御利益を受けると言う事ならばそれでも受けられる様ですね。けれどもこれでもしその人の信心が一生それで終わったら、どう言う事になるだろうか、と私は思うのです。私共も随分そういう信心を頂いても来た、そういうふうに聞かされても来たんですけれども、もうここ合楽の場合はそうじゃないです。けれどもですねそういうふうにいつの間にか、どこかでもうこうおかげの方に迷わされておかげの頂けれる早道の様な所をこうにそこだけに止まってしまいよる。
　自分方の畑に肥料やらんでから、自分方教会の畑を大事にしよったら、自分方のとこは消毒もせんでん肥料もやらんでんおかげ頂いた、と言った話なんです。それが果たして決してウソでもなからごたる誇張でもなかろ様にあるんですよ。ね。けれどもいつの間にかどこにかですね、そらもう「椛目の親先生」とこう念ずる所にです、ね、「合楽の親先生」とこう念ずる所にです。確かにそういう働きが今までは頂けなかった教会の先生方がね、そこにおかげを受けられておると言う事は。
　かに事実であると思うのですやはり。ね。けれども私が説いておる所はそう言う事じゃないと言う事。ね。いわゆる死したる後神に奉られると言う事を楽しみに信心しておるのである。自分の心が一歩一歩神に近付いて行く、と言う事を楽しみに信心しておるのである。愈々和賀心を追求して行くと言う事は、まあ結局は改まる以外にないなぁと。結局は本心の玉を磨くより他にはないなぁと。
　その磨く術改まる方法を、私はもうもうほんとに説いて説いて説い抜かせて頂いておるようにあるけれども、それをほな頂いたと言う人達がどこでか間違うて行きよる。御利益の方に走って行きよる。御利益でいけんのじゃないけれども、それでは一生経ったってです。私は自分の心が神に奉られると言う事はないと思う。和賀心の追求にはならないと思う。「信心しておれば一年一年有り難うなる」と仰る一年一年有り難うなって行かないと思う。お道の信心はそこん所にですね。
　私はまあいうならば落とし穴的なものがあるような感じがする。確かにおかげが受けられるもんだから、そのおかげに幻惑されてですね、和賀心追求を緩めてしまう。お取次ぎ頂いてお願いをすれば、確かにおかげを受けるもんだから、成程目を閉じってから「親先生」と、こう念ずれば確かに親先生の働き、そこに頂く事が出来るもんだから、ね、それだけがやはり信心になってしまう様な事になる。皆さんもお気付きでしょうけれどももうとにかく、昨日なんかは朝からですね。
　晩私もう何時ごろになったでしょうが。もう昨日始めてあちらにあるルームクーラーが私の控えの方へ。昨日１日がかりで杉山さん来てくれてましてから、入る様になったんですね。もう寒ようにです入れますと。まあほんとに私があちらで、ここを閉め切りどもしたなら、もうほんなこてもう冷え切ってしまうごと、この部屋冷えてもう言うた途端にあちらからですよね、もう御神前からもうそれこそもうお広前いっぱい所か、あちらの方まで響き渡る様な大きなおいさみがあったです。
　もう休むまでお勇みが続いておりました。昨日は。末永さんがここで奉仕させて頂いておって、「もう先生今日はもうお勇みのあり通しでした」今朝からでもそうでございますもんね。それはどう言う様な事だろうか。神様が勇み勇み、ね、神様がいわば先頭切って前進また前進と言う様に、このそういう働きを見せておられるという気がする。いうならばまあどういうふうに申しましょうかね。まあ自動車なら自動車が、私なら私の運転で、スピードで走っておるような感じなんです。
　もうほんとに目的に向かって一生懸命走っておるような。私が運転を誤ったらその自動車私どころか皆もひっくり返ってしまわんならんてな感じ。ここから飛び出しでもしよったら、もう大ケガする事間違いない、と言ったような感じ。
　（録音不良）
　勇んでおられるその勇んでおられると言うそのお勇みに対して、私共がですどう勇まなければならない。自分の心生き生きと勇んでくる。その勇んでくるというものがです只御利益に終始したお勇みでは、バカらしい話しじゃないですか。それは御利益に終始いたしましてもです、そういう神様勇み切ってござれる時だから、おかげを頂きましょうが。ね。けれども神様が勇み切ってござる時に、私どもも勇みきった心でです。
　修行さして頂いて、本気で信心の、ほんとの焦点である所の「和賀心の追求」をさせて頂いたら、私共の心がこういうふうにおかげを頂かしてもろうて、その有り難い心に対してこういうおかげが伴うて来た、と言う様なおかげでなからなければ、私はいけないのだと思うのです。今こそお互いの信心の進め時だとというふうに思うのです。折角の勇み所が「御利益を受けなければならんから、朝お参りでもしよると。」
　と言う朝参りからです、本気で「和賀心追求の為の朝参りをしよう」と言う様な、楽しみが湧く為には、本気でその和賀心になる為には、いうなら改まらにゃならん。磨かにゃならん。実意にならなければならん。「はあもう慢心でも起こしちゃならん」と言う様にですその事に取り組ませて頂く所からです、愈々和賀心が心の中に広がってくる。それが楽しみなんだ。
　その為にお参りしなければおられんのである。と言う事にならなければ、勿体ないでしょうが皆さん。ね。愈々実意丁寧に、ね、自分の心の中に慢心ども起こすだんじゃない。全ての事柄をです、愈々改まらせてもらう材料、または磨かせてもらう材料としてです、本気で、磨く事に努めさして頂く所にです。自分の心の中に和らぎ賀ぶ心「和賀心」が頂けてくる。これが楽しみでお参りをする。
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